第28話    『高度経済成長』

確かに日本は、本当に小さな島国である。しかも、国土の大半が空襲で焼かれ、人類の最終兵器である原爆を2発も喰らった。

その日本が、驚異的な成長を遂げ戦後わずか半世紀の内に1人当たりのGNPでアメリカを追い越すほどになったのである。戦後の日本には、とにかく国を再建しようという実務家たちと、とにかく働いて苦況を脱しようという大衆がいた。アメリカを訪問した実務家達は、デトロイトの巨大産業を見てが愕然とする。しかし、そこで暗澹とした思いは抱かなかった。むしろ、彼らは日本の産業の発展を夢想し、以降、いずれはアメリカを追い抜いてやろうと必死の努力を積み重ねたのである。

日本が戦争に負けた最大の技術的要因は、レーダーや電子機器技術である。あの神秘的飛行機ゼロ戦を作った工作機械もすべて外国製であった。最初に取りかかるべき分野は明白だったのだ。

こうして高度経済成長期に入った日本は、やがて、朝鮮戦争、オイルショックをも味方につけて、世界随一のハイテク大国に成長していくのである。