第19話   『 敗 戦 』

1945年(昭和20年)8月15日、満身創痍となった日本は、和平の道を独自で探るのを止め、ついにポツダム宣言を受諾することを決意した。敗戦である。

これはあたかも日本が無条件降伏したかのように伝えられているが、とんでもない間違いである。ポツダム宣言受諾こそ日本が「有条件」のもとで降伏したという紛れもない証なのだ。
現に、日本側はポツダム宣言に関していろいろ問い合わせをしている。一番の懸案は 「天皇はどうなるのか?」「国民はどうなるのか?」という問題だった。

ところで、ポツダム宣言受諾をめぐる紆余曲折が、もう一つあった。それは、陸軍上層部が、負けているのは海軍であり、陸軍はまだ戦えると主張し、ポッダム宣言受諾に反対した。
それでもなお、本土決戦を主張する陸軍上層部を押しとどめ、ポツダム宣言受諾を最終的に決断したのは昭和天皇であった。

『敵は新たに残虐な武器を使用し、大勢の罪もない人々を殺傷した。
その被害の大きさは計りしれず、このまま戦い続ければ、日本人が、ひいては人類の文明が滅亡してしまう。ただ、祖国のために命を落としたもの達、その遺族、また家を焼かれ、職を失ったもの達のことを思うと、我が身を引き裂かれるようだ。』

憲法上、沈黙を守らざるをえなかった天皇がついに発言された。