第9話  学徒出陣

戦局が悪化する中で、昭和18年(1943年)12月、大学、高等専門学校に在学する学生、生徒が学生の身分のままで軍隊に徴収され、やがて前線に送られた。学徒出陣である。それまでこれら学生、生徒は卒業するまでは兵役に服することが猶予されていたが、この猶予が停止されたのである。臨時徴兵検査が実施され合格者は希望で、陸軍部隊と海兵団に分かれて入団したのです。ただし、理科系と師範系は、卒業するまで入隊が延期された。 

昭和18年(1943)10月21日 東京の明治神宮において、1都3県の出陣学徒が銃剣を担いで分列行進をした。この日は秋雨が冷たく降り水溜まりをしぶきをあげて行進する出陣学徒の姿には悲壮な感じを抱かれるものがあったが、傘も差さずに、白いハンカチを振り続けて見送った女子学生の頬には、一様に涙で光るものがあった。